はじめに
目的と読んでほしい人
このガイドは、ランニングのペースについて、これからもっと走れるようになりたい高校生や、少しだけランニングをやっている人向けに書かれています。ペースってなに?どうやって調べるの?もっと速く走るには?そんな疑問に答えるため、基礎からわかりやすく説明していきます。実際に部活で走っている人にも、もっと効率よくトレーニングしたい人にも役立つ内容です。
ペースってなにが大事?
ランニングで大切なのは「どれくらいの速さで走っているか」。この「速さ=ペース」を知ると、自分に無理のないトレーニングを組み立てられるようになります。ペースをうまく使うと、疲れすぎずに長く走れたり、目標のタイムを目指しやすくなったりします。
たとえば、試合や大会で「前半飛ばしすぎて後半バテた…」という経験はありませんか?それは、適切なペースを知らずにスタートしてしまったからかもしれません。自分の実力を知り、ちょうどよいペースで走れるようになれば、もっと走るのが楽しくなります。
ランニングペースのきほん
ペースの意味
ランニングの「ペース」は、1キロを走るのにかかる時間です。たとえば「5分/km」は「1キロ走るのに5分かかる」ってことです。タイムや記録を意識するとき、このペースがとても大事になります。
スピードとのちがい
- ペース:時間 ÷ 距離(例:5分/km)
- スピード:距離 ÷ 時間(例:12km/h)
日本では「ペース」で考えることが多いけど、アプリや機械では「スピード」で出ることもあるよ。どっちも使えるようにしておこう!
ペースの計算方法
簡単な式で計算できます:
ペース(分/km) = 総時間(分) ÷ 距離(km)
たとえば、10kmを50分で走ったら、
50分 ÷ 10km = 5分/km
この計算をもとに、自分の走る速さを知ることができます。
ペースを知るための道具
今は便利な道具がたくさんあります。自分にあったものを使って、ペースをチェックしながら走ってみよう!
- GPSウォッチ(ガーミン、アップルウォッチなど)
- スマホアプリ(Strava、Nike Run Club、Runkeeperなど)
- ランニングマシン(ジムなどにあるやつ)
- ペースを計算してくれるウェブサイトやアプリ
アプリには「音声ガイド」機能がついていて、走っている間に「今のペースは◯分/km」と音声で知らせてくれるものもあります。
ペースにあわせた練習方法
イージーラン(Eペース)
のんびり走って、体の疲れをとるときにちょうどいいペース。週に何回かはこのペースで走ると、無理せず体力をキープできます。気持ちよく会話できるくらいの速さが目安です。
テンポラン(Tペース)
ちょっとキツいけど頑張れるくらいのペース。走っていると息が少し荒くなるけど、継続して走れるくらいの速さです。体が強くなっていく感じがします。
インターバル(Iペース)
速く走る→ちょっと休む→また速く走る、をくり返す。たとえば「400m×5本」のような練習です。スピードアップや心肺機能の向上に効果あり!
レースペース(M/HMP/10K/5K)
試合や大会のときと同じくらいの速さで走る練習。ペース感覚をつかむのにぴったりです。本番を意識して、どのくらいのスピードでどの距離を走れるかを体に覚えさせましょう。
ペースアップのためのヒント
- 正しいフォームで走る(無駄な動きをなくす)
- 体を柔らかくするストレッチや筋トレをする
- 水泳や自転車など、ほかの運動も取り入れてバランスよく体を鍛える
- 食事と睡眠も大事!とくに大会前は意識しよう
- モチベーションを保つために目標を決めよう(次の大会で5kmを30分以内に!など)
レベル別のペースの目安
以下の表は、だいたいの目安として参考にしてください。
レベル | 5km | 10km | ハーフ | フルマラソン |
---|---|---|---|---|
初心者 | 7:00/km | 6:45/km | 6:30/km | 6:15/km |
中級者 | 6:00/km | 5:45/km | 5:30/km | 5:15/km |
上級者 | 4:30/km | 4:15/km | 4:00/km | 3:45/km |
(自分がどのくらいのレベルか、最近の練習や大会結果とくらべて考えてみましょう。最初は初心者レベルからスタートしても大丈夫です)
ペースをうまくコントロールする方法
- 時計やアプリでアラームを設定して、速すぎ・遅すぎを教えてもらう
- 最初はゆっくり、後半にスピードアップする「ネガティブスプリット」作戦がおすすめ
- トレーニング日記をつけて、どんなときに良く走れたか、体調や天気も書いておく(アプリなどでもOK)
- チームや友だちと一緒に走ると、ペースを保ちやすくなる
ペースに影響するもの
- 暑さや寒さ、風などの天気
- 坂道や道のコンディション(ぬかるみ、砂利など)
- 前の日にどれくらい寝たか、疲れがたまってないか
- 食べたものや水分のとり方(特に大会前は注意)
- ランニングシューズの種類や、すり減り具合(合わないシューズはケガの原因にもなるので注意)
おわりに
「どれくらいの速さで走るか」を意識すると、ランニングがもっと楽しくなります。ゆっくりでも、速くても、自分に合ったペースを知って、少しずつステップアップしていきましょう。毎日の練習の中でペース感覚が身につけば、タイムも伸びて、走るのがもっと好きになりますよ!