ランニングをしていると、「もっと速く走れるようになりたい」「疲れにくい体をつくりたい」と思うことがあるでしょう。そんなとき、トレーニングだけでなく、栄養もとても重要です。中でも特に大切なのが、プロテイン(たんぱく質)です。
このガイドでは、プロテインがランナーにとってなぜ大切なのか、どのくらいの量をどんなタイミングで摂ればいいのか、そしてどんな食べ物やサプリメントを使えばよいのかを、やさしく丁寧に解説します。
プロテインってなに?ランナーに必要な理由
プロテインは、体をつくるもとになる栄養素です。筋肉だけでなく、内臓や皮ふ、髪、爪など、体のいろいろな部分に必要です。特にランニングをすると、筋肉に小さなダメージが起こります。そのまま放っておくと、筋肉が弱くなったり、疲れが取れにくくなったりします。
そこで役立つのがプロテインです。プロテインを摂ることで、ダメージを受けた筋肉を修復し、より強くすることができます。また、酵素やホルモン、免疫機能の働きもサポートするので、体全体の調子を整えるのにも役立ちます。つまり、プロテインは「走る力」を支える基本ともいえる栄養なのです。
どのくらいの量を摂ればいいの?
ランナーが1日に必要とするプロテインの量は、体重1kgあたり約1.2g〜2.0gが目安とされています。たとえば体重が60kgの人なら、1日に72g〜120gのプロテインが必要です。これは、ごはん茶碗一杯分の重さ(約150g)ほどのたんぱく質に相当することもあります。
軽くジョギングをする人なら少なめでOKですが、しっかり走っている人やマラソンを目指す人は、多めに摂るようにしましょう。
この量を毎日の食事だけでまかなうのは、少し工夫が必要です。バランスよくいろいろな食品を組み合わせて摂ることで、サプリメントに頼らず健康的に必要量を満たすことができます。
プロテインはいつ摂ると効果的?
プロテインは、摂るタイミングがとても大切です。特に運動したあと、30分以内に摂ると、筋肉の修復がスムーズに進むと言われています。この時間は「ゴールデンタイム」とも呼ばれており、体が栄養をよく吸収できるタイミングです。筋肉が栄養をどんどん取り込みやすくなる時間帯なので、しっかり活用しましょう。
また、夜寝る前にゆっくり吸収されるタイプのプロテイン(カゼインなど)を摂ると、寝ている間に筋肉をじっくり修復する助けになります。朝食やおやつの時間に少しずつ摂ることで、1日の必要量を無理なく満たすこともできます。
食べ物から摂るプロテインも大切
プロテインは、サプリメントだけでなく、普段の食事からもたっぷり摂れます。鶏むね肉、魚、卵、大豆製品、牛乳、ヨーグルトなどが代表的な食材です。たとえば、鶏むね肉100gには約22g、納豆1パック(40g)には約6gのプロテインが含まれています。
ほかにも、ギリシャヨーグルトやチーズ、豆腐なども良質なたんぱく質源です。これらをバランスよく取り入れることで、サプリメントに頼らずとも自然にプロテインが摂取できます。
いろいろなプロテインの種類と選び方
プロテインにはいくつかの種類があり、目的や体質に合わせて選ぶことができます。
- ホエイプロテイン:吸収が早く、運動後におすすめです。
- カゼインプロテイン:吸収がゆっくりなので、寝る前にぴったりです。
- ソイプロテイン:大豆由来で、植物性。ベジタリアンや乳製品にアレルギーがある人に適しています。
- ピープロテイン:エンドウ豆由来で、アレルゲンが気になる人にも安心です。
味や香りが気になる人は、無添加タイプやナチュラルな風味のものを選ぶとよいでしょう。ジュースのように飲めるフレーバー付きの商品も多く、楽しみながら続けることができます。
サプリメントを使うときの注意点
サプリメントはとても便利ですが、「飲めば筋肉がつく」というものではありません。むしろ、たんぱく質ばかりに偏ってしまい、他の大切な栄養素(炭水化物やビタミンなど)が不足すると、体調を崩すこともあります。
あくまで、食事だけでは補いきれないときの「サポート」として使いましょう。体調が気になるときや、アレルギーがある場合は、医師や栄養士に相談するのが安心です。
簡単でおいしいプロテインメニュー
毎日の食事で手軽に取り入れられる、高たんぱくメニューをいくつか紹介します。
- ギリシャヨーグルト+フルーツ+ナッツで朝食に。
- サラダチキン+玄米+ゆで卵でお弁当にもぴったり。
- バナナ+豆乳+プロテインで簡単スムージー。
- 納豆そば(納豆+卵+ネギ+そば)で和風の昼ごはん。
- 焼き鮭+味噌汁+ごはん+ほうれん草のおひたしで夕食に。
タンパク質を意識した食事でも、工夫次第で飽きずに続けられます。自分に合ったメニューを見つけて楽しんでみてください。
おわりに:プロテインをうまく使って走る力をアップしよう!
プロテインは、ランニング後の体を回復させ、強くするのにとても役立ちます。毎日の食事やトレーニング後のタイミングをうまく活用して、しっかりと摂取することで、走るパフォーマンスもアップしやすくなります。
まずは、身近な食べ物からたんぱく質を意識して摂ることから始めましょう。卵や納豆、鶏むね肉、牛乳などを意識するだけでも変わってきます。もし食事だけでは足りないと感じたら、サプリメントも上手に取り入れてみましょう。
しっかり食べて、よく走って、元気な体をつくっていきましょう!