10kmを走るのは意外と大変で、「きつい」と感じる人も多いと思います。走り終わったあとに「もう無理…」と思ったり、途中で歩きたくなってしまうこともあるでしょう。でも、少しずつコツを知って、工夫しながら練習していけば、今よりもっと楽に走れるようになります。このページでは、10kmがきつく感じる理由と、それを乗り越えるための方法を、わかりやすい言葉で詳しく紹介していきます。
どうして10kmってきついの?
10kmという距離は、長すぎず短すぎない絶妙な長さです。そのためスピードと持久力の両方が求められ、初心者にも経験者にもチャレンジになる距離です。次のような原因が組み合わさることで、きつく感じることがよくあります。
- 最初に飛ばしすぎてすぐにバテる(ペースのミス)
- 走り方(フォーム)が効率的でない
- 体に必要な水分やエネルギーが不足している
- 練習方法が10kmに合っていない
- 「つらそうだ」と思い込んでしまう気持ち
- 呼吸のリズムがうまく作れていない
これらの要因が2つ、3つと重なると、走っている途中でどんどんつらくなってしまいます。大切なのは、どこに原因があるのかを冷静に見つけて、一つずつ改善していくことです。
ペースを守ればラクに走れる
10kmでよくある失敗の一つが、最初にスピードを出しすぎてしまうことです。スタート直後は元気があるので速く走ってしまいがちですが、それでは後半に失速してしまいます。大切なのは、自分のペースを守ることです。
- スタートからゴールまでほぼ同じスピードで走る(イーブンペース)
- 前半はやや抑えて、後半に少しずつスピードを上げる(ネガティブスプリット)
- GPS時計やスマホアプリだけでなく、自分の体の感覚でもスピードを感じ取る練習をする
「走るのが気持ちいい」と感じられるくらいのスピードで走れば、心にも体にも余裕ができて、全体的に楽に走れるようになります。時計に頼りすぎず、自分のリズムを知ることが大切です。
フォームを直すと疲れにくくなる
走るときのフォームも、10kmが楽になるかどうかに大きく関わっています。フォームが乱れていると、余計なエネルギーを使ってしまい、体がすぐに疲れてしまいます。
- 肩や腕に力が入っていないか確認する
- 足は体の真下に着地するよう意識する(前すぎるとブレーキになる)
- 腕はリラックスして、前後に自然に振る(左右には振らない)
- 歩幅を少し小さくしてテンポよく(理想は1分間に170~180歩)
鏡で見たり、自分の走る姿を動画で撮ってチェックするのも効果的です。フォームがよくなると、エネルギーを無駄なく使えるようになり、疲れにくくなります。また、ケガの予防にもつながるので、正しいフォームを意識することはとても重要です。
水分とエネルギーが足りてないとバテる!
走っている途中で突然エネルギーが切れたり、体が重くなったりするのは、水分や栄養が足りていない可能性があります。走る前からの準備がとても大切です。
- 前日はご飯やパンなど、炭水化物を多めに食べる
- レースや練習前の朝には、バナナやおにぎり、トーストなどを軽く食べる
- 暑い日はこまめに水分をとる(のどが渇く前に飲む)
- 走り終わった後は、水分とともに、たんぱく質や炭水化物をとって体を回復させる(例:牛乳+おにぎり、ヨーグルト+フルーツ)
エネルギー不足は、練習不足と同じくらいパフォーマンスを下げてしまう原因になります。しっかり食べて、しっかり飲んで走る準備を整えましょう。
練習のバリエーションが上達のカギ
ただ毎日同じように走っていても、なかなか成長しません。10kmを楽に走るには、いろんなタイプの練習を組み合わせることが大切です。
- イージーラン:ゆっくり長く走って、持久力をつける
- テンポ走:少し速いペースで20分程度走り、心肺機能を高める
- インターバル走:200m~1kmなどの短い距離を速く走り、スピードアップ
- リカバリーラン:前日の疲れをとるためのゆっくりジョグ
- 完全休養日:しっかり休んで筋肉を回復させる
毎週バランスよくいろんな練習を取り入れることで、確実に走力がついていきます。また、走る日と休む日をしっかり分けることで、体の調子も整いやすくなります。
気持ちの持ち方でも走りが変わる
気持ちがネガティブだと、体が元気でも「きつい」と感じやすくなります。逆に、前向きな気持ちがあると、つらいときでも踏ん張れることがあります。
- 「ここまで練習してきた!」と自分を認めてあげる
- ゴールしている自分を頭に思い浮かべる
- 1kmごとに「あと〇km」と目標を小さく分けて考える
- 「きつい=強くなってる証拠」と思ってみる
- 仲間と一緒に走って気持ちを盛り上げる
走ることは体だけでなく、心の力も試されます。だからこそ、自分を励ます言葉や考え方を持っておくと、ランニングがもっと楽しくなります。
呼吸を意識するだけで楽になる
呼吸は意識しないと浅くなってしまいがちですが、うまく整えると、きつさがグッと減ります。
- 鼻と口の両方を使って深く息を吸う(お腹がふくらむように)
- 「吸って、吐いて」のリズムを一定に(2歩吸って2歩吐くなど)
- とくに「吐く」ことをしっかり意識する
- フォームと合わせてリズムよく走る
呼吸を意識することで、体の力みも取れやすくなり、より自然な走りができるようになります。
歩くことも立派な作戦です
「全部走りきらないと意味がない」と思う必要はありません。途中で少し歩くことで、結果的に最後まで走りきれることもあります。
- あらかじめ「10分走って1分歩く」と決めておく
- 体力がきつくなる前に、早めに歩いて回復する
- 呼吸と心拍数を落ち着かせるために歩く
歩くことは「失敗」ではなく、「作戦」だと考えましょう。体に無理をさせないことで、より長く楽しく走れるようになります。
ランの後のケアも大切にしよう
走ったあとの体のケアをしっかりやると、次の日に疲れを残しにくくなり、ケガの予防にもなります。
- 走り終わったら少し歩いてクールダウンする
- 太もも、ふくらはぎ、股関節などをストレッチする
- 水分をこまめにとる
- ご飯と一緒に肉、魚、卵、牛乳などのたんぱく質をとる
- 早めに寝て、ぐっすり眠る
体の回復をしっかり行うことで、トレーニングの効果もアップします。継続的に走るには、体のケアが欠かせません。
最後に:10kmは楽しめるようになる!
「10kmはきつい」と思っていたとしても、今回紹介したポイントを少しずつ意識していけば、走るのがどんどん楽しくなっていきます。ペースのコントロール、フォームの見直し、食事や水分のとり方、練習のやり方、気持ちの持ち方、呼吸の整え方、走ったあとのケアなど、全部が大切なポイントです。
無理をせず、自分に合ったやり方を見つけて、少しずつ続けることで「きつい」が「楽しい」に変わっていきます。走ることが、自分の成長や達成感につながる素晴らしい時間になりますように。あなたの10kmがもっと軽く、もっと前向きな時間になるよう、応援しています!